赤坂通路

 溜池山王から、ふらふらと。

 赤いダウンの女の子が何か、奥の方を見つめています。

 狭いですね。 何だか、錆びれた寂しさがあり、先の明かりが。

 ステンドグラス曇り具合に地味な色合が、壁以上に気になります。 軒下からランプが点々と続いてます。 ほんの一瞬、昭和・大正のような香。 右手の壁の表面割れが肌のしわのようで、配管の錆びれや、窓格子の古さが赤坂らしくない。  

 やっと出れました。 赤坂見附駅前、田町通りです。 80〜90cmの幅の私有地の道でしょうか。 私が撮影に足を止めようと、端に寄っても只の邪魔な奴でした。 赤坂3丁目のこのエリアは、銀座線に平行な6m道路が目立ちます。 食事どころが並ぶ区画で、途中にこういった通路が幾つもあります。

 ふらふらと。

 左手のブルーのネオン球群が続きます。 右手がコインパーキングだから、この通路がネオンで認知しやすいな。 その影響だろうけど、先にお店があるのも、何となく認識できる。 パーキングの奥の木造2階建は古い地元住民のお家なんだろうな。 バブルも今も赤坂の商店街を支え続けているのだろう。


 左手に「牛」のエンブレムのお店「さんだ」。 そしてBAR「BANBOO」の看板。 通路自体は行き止まりですが、奥のビルが屋内通路や屋外通路を確保しているので、延々と次ぎの横断道路、一ツ木通りへ抜けられましたね。 この2店舗は、男の隠れ家風だ。

 これまた、狭いです。 細いです。 通路に、雨どいがくっきり出ています。 床のタイルに埋まってますね。 先の横断道路、一ッ木通り側は、ビル正面ですから、見えにくい所に雨樋を隠すのが基本です。 携帯電話で話しながら、おじさんが足早に抜けて行きました。 その狭さと偶の交通量から、この通路・隙間での停滞は、落ち着かないのでしょうね。 すれ違うどころか、完全に触れ合ってしまいます。 この通路で「むぎゅっ」と詰ってしまう。 すれ違えない。 進みにくい。 
手前の道路から考えると、狭き門の様で、変化を感じますね。 少しのUP/DOWNもあって良いけど「臨場感がある」とまではいきませんね。
 先ほどの駅への抜け道も含め、「ぐぐっ」ときます。

 一ッ木通りに出て左へTBS方面に進みました。

 おー。 通路の正面上空に高層ビルが構えます。 まるであそこがこの通路のたどり着ける終着地のようです。 先が見えないのにそう思える。 あのビルは何でしたか、外資系のビルかな。 青サインがビル上部についているはずですが、撮影角度上、写ってません。 でも、白目の窓灯がデジタルな感じです。 そんな状況で下の丸いランプ、いや提灯の紅色と黄色の小さい灯りが目に付いた。 まるで色合いだけが下にこぼれたようだ。

 進むと、右手に「小結」というカウンター付きの焼肉屋がありました。 なぜ、大関横綱ではないのだ。 O先生、出島は強かったですね。 もしかして小結は相撲の小結を意味してないのかな。 焼肉を食べながら、何かの小さな縁を「結ぶ」と言う願いとか載っているのだろうか。 横断道路と横断道路の間(すきま)も結んでいる感じもするものな。


 ここらは、日本風情があります。 小さな和です。 着物系の割烹着と下駄が似合う。 暖簾のごわごわ感は麻だろうか。 植栽も柳の様に垂れ下がっている。 それなのに、壁に貼られた「ビール」「ホッピー」の張り紙は、少し残念だ。 アッパーライトに照らされている。 それなら日本酒にして欲しい。 景気が良い感じはするが、洒落た印象に対しては減少方向だと思うよ。 無いほうが良いのでは?
 みすじ通りに戻ります。

 ここらは、こういった細道が多いですね。 横丁では無いです。 長方形に区画された街区の問題です。 でも、街並み的には良い効果を見せていると私には思えます。

 KKE VISION2009の帰りです。 残念な事に夕食に、・・・いや、懇親会に出そこねました。 基調講演、チャンス発見と渋滞学を見た後なんです。 本日のコメントはそれに感化されたかな。



 撮影日091027:P3A 吉田